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ゲーム中心の雑記。Kenshi奴隷スタートシナリオロールプレイ日記連載開始しました!

【Kenshi】ロールプレイ日記 1-3 世界の果て、オクランの果て

そのころ、HNのとある都市にて。

「リバース鉱山から脱出した奴隷は今どこにいる」

「鉱山を北上した後のを最後に行方が分かっていません。隠された森の方へ向かったものと思われます」

「小娘2人も捕まえられないのか!オクランの名前を汚すでない!」

「申し訳ございません! 何分奴らの逃げ足が速く、砲台での狙撃も敵いませんでした……。」

「お言葉ではありますが、ずいぶんとあの2人にご執心のようでありますね。ただの小娘ではありませんか」

「あそこにいる奴隷共の洗脳は完璧だ。過去にリバース鉱山からの脱出を決めたものも決まって単独犯だった。しかし今回は3人、それも2人が中心人物となってリバース鉱山全体の奴隷が大脱走、歩哨は逆襲されて囚われたのもあり鎮圧に時間がかかりすぎて工事計画が破綻寸前になった上、奴隷も余計に一人失ってしまった。」

「私共の不徳が致すところです。申し訳ありませんでした」

「処分はあの奴隷の捜索を済んでからだ。あれだけの悪行を積んだ女、きっとナルコの生まれ変わりそのものに違いない。その首に多大な金額をかけて、全国に指名手配だ」

「いくらかけるつもりなんですか?」

「そうだな……まだ決めていないが、あのモールよりはかけるつもりだ」

 

カニバル共にちょっかいをかけながら森を散策する一行。初めて握るクロスボウの扱いに難儀を極め、戦闘中の味方に誤射してしまうことも多々あった。

「走りながら撃つことができればいいのにね。足には自信があるんだから!」

「止まって撃ってもなかなか当たらないでしょ」

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少しずつ経験を積んでいき、隠された森での生活も3日が経った頃、沫はそろそろこの村を出発しようと考えていた。

「どこいくの」

「砂漠の方、帝国領の方へ向かうわ。あっちはここより色々と過酷だけど、物資は豊富だし人もいる。しばらくはどこかの都市に家でも借りて前準備をしましょ」

「準備?」

「それは追々説明するわ。あっちだとあなたのスキルも大活躍よ」

「それはたのしみ」

手荷物をまとめていたところに浮浪忍者の一人が寄ってくる。

「帝国領に行くのか?」

「まぁね。あちらにしばらく潜伏してHNを滅ぼす前準備をするつもりよ」

「そうか。帝国領に行く前にここから西の山中にある世界の果てっていう街がある。そこから先の街は帝国領に入るまでないからそこを中継地点にするといい」

「世界の果て?」

「オクランの像が門にあるからHNの街だと思ったんだが、門番にシェクやら女やらいたんだ。尋ねてみたんだがどうやらテックハンターの街らしい。詳しいことはわからんが、少なくとも行く価値はあるだろう」

「わかったわ。テックハンターね……ちょっと興味があるかも」

「テックハンターなら私たちに危害を加えてくるようなことはしないだろう。それに、以前見た遺跡について何か知っているかもしれない。私もちょっと興味出てきたな」

21日目の夜。3人は浮浪忍者の村を出発。情報の通り、村から西へ進み、山登り。すると忌々しい像が2つ鎮座しているところを発見した。一見するとHNの都市である。

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「一応ここもHN領に入るんだったな。テックハンターの人たちの街だとすれば、文句を言われないようにするためかもしれないな」

街にある店で浮浪忍者の村では不足していたものを購入、今一度準備を済ます。そして街の端にある大きな建物。街の人によると大学というらしい。

「そもそもテックハンターってなに?」

「泡は知らなかったのね。テックハンターのテックは技術、ハンターは狩りをする人。でもこの時代の技術は後退しているのよ。昔の滅びた帝国の方が技術は栄えていたの。それでテックハンターの人たちが求めているのは滅びた帝国の技術。それを探す人たちの集まりがテックハンター」

「要するにロストテクノロジーの探検家ってことだ。だから遺跡の調査もどこよりも進んでいる。彼らならあの遺跡のことも何か知っているはずだ」

「つまり強い人たちなのかな」

「おそらくね。まぁ、こことはあまり喧嘩したくないわ」*1

 

大学は一般公開もしているのか、特に咎められることなく進入することができた。しかし皆一様に忙しそうである。その中の一人、責任者のような人、フィンチとイヨから話を聞くことができた。

 

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Q1「ここは?」

A1「見ての通り大学だよ。古代の科学書の解析をして技術をよみがえらせるんだ」

Q2「テックハンターが解析もしてるの?」

A2「私たちはマシニストだよ。厳密には違う団体。役割分担って知ってる?あちらさんが資料を持ち帰ってきて、私たちがそれを解析。」

Q3「こんな辺鄙なとこに街を作ったの?」

A3「北方の拠点として作ったよ。遺跡は世界各地に散らばってるからね。南東にはブラックスクラッチっていうところもある。それと各所にウェイステーションっていう小型の拠点もあって、冒険者が補給しやすいようにしてるよ」

Q4「古代の科学書見せて」

A4「人のもの盗ったら泥棒だよ。」

Q5「科学書ってどこにあるの?」

A5「壁に耳あり障子に目ありって知ってる?自分で探してね。一応店にそれっぽいところの地図はあるからよろしくね」*2

Q6「なんで門にフェニックスの像おいてるの?」

A6「あいつらバカだからこれを置いたら満足して帰っていったよ。この施設みたらめっちゃ怒ってきそうだけど」

Q7「この世界のことなんか知ってる?」

A7「私は歴史学者じゃないよ。そもそもかいつまんだような説明で正しく理解できるほど単純じゃないよ。自分の足で史跡を回ったほうがいいんじゃないかな。図書館に本としてまとめたものがあるからそっち見た方が速いかも」

Q8「古代人はなんで絶滅したの?」

A8「何かの病気か大災害かじゃない?今いる人たちはそこの外にいた人たちの子孫だよ。そういう場合君たち人間は自分たち以外には極度に排他的になるね。それが今のHNを形作ってるとみてるよ」

Q9「スケルトンは数千年と生きてるんでしょ?詳しく知らないの?」

A9「君たちだって物忘れするでしょ?記憶なんて数百年持てばいい方だよ」

Q10「逆に質問するけど、私こう見えて忙しいんだけど」

A10「……いろいろ答えてくれてありがとうございました」

 

大学を後にし、世界の果ての門をくぐる。東方面に山を下っていくと徐々に植物がまばらになり、荒れ地の様相を表す。同時に日差しも熱くなってきた。

 

「この辺はまだHNの軍事基地があったはず。少数だけどパラディン共が巡回しているだろうから気を付けましょう。」

「山を下ったらさすがに疲れてきたな。どこかで休憩したいが」

「あそこなんかキャンプ跡みたいなのあるけど」

「そこで休憩……」

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「いたぞー!指名手配の奴隷だ!なんでもいいから奴を捕らえるんだ!」

「……ついに見つかったか。仕方ない。」

聞きたくはなかった声。パラディンの号令が下り、聖なる騎士団が一行を捕らえた。

カニバルで練習した成果を見せるわよ!」

「うん、敵を倒す」

「私がひきつける。2人は各個撃破してくれ」

ソトが自らタンク役を引き受け、兵を引き付ける。集中攻撃にさらされ、シェクの硬い皮膚に傷がつく。その程度では誇り高いシェクを止められない。

「こいつ……!元奴隷の分際で!」

「ほらほらどうしたァ! お前らの憎むべき異端者はこっちだぞ? もっとこい!全力で相手してやる!」

「邪悪の化身め!われら光の使者がその魂を浄化してくれ……ぐわっ!」

「一人アウト。あの出血量じゃしばらく立てないよ」

「しばらくどころか死んじゃうかもね」

3人と10人以上の兵隊。明らかな数的不利だが、クロスボウと引き付け役のシェク。さらにクロスボウコンビの逃げ足の速さによる引き打ちで数的不利を打ち消す。3人の奴隷を相手にHNの軍勢はみるみるうちに数を減らしていった。

「はぁはぁ……まだまだやれるぞ。お前の相手は私だ」

「もう虫の息じゃねえか。せめて楽にしてやる!」

パラディンの十字架*3がソトの脇腹に食い込み、その体躯が崩れた。それと同時に

「あんたもだよ」

首に突き刺さった一つの矢。それが致命傷となり、パラディンの身体もまた崩れた。

「今のがリーダーのような奴だったのかしらね。泡、ソトを保護しつつ残りを殲滅するわよ!」

「絶対に許さない」

司令塔を失い、指揮系統が崩れた軍勢は破れかぶれに残った2人をにらみつける。その足からも流血が酷く、体重を支えることが難しくなっている。がくがくと、震えが止まらない。

「くそが……!」

満身創痍となった軍勢は、次々に砂の海へ沈んていった。

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*1:古代の遺跡はステータス50~60平均の敵対生物やスケルトンなどがいる危険地帯であり、そこに赴く冒険家であることからテックハンターの人たちも各国の幹部レベルのステータスを誇る強者ぞろいである。その割にはHNは都市連合とは違い温厚な人たち。このゲームあるあるの温厚な人ほどとんでもなく強いパターンの典型

*2:マシニストの店の店員に話しかけると科学書のありかを聞く選択肢が出るが、全員一様に出し抜かれたら嫌だと教えてくれない。一丸となって技術発展に貢献していくと思いきや競争意識が高いようだ。

*3:HNの兵が主に装備している鉈武器という分類の武器。形状的には幅広のブロードソードみたいな見た目。鉈武器は刀身が分厚くできているのか他刃物と比べてだいぶ重量がある分打撃性能が非常に高く、重装甲相手にもダメージを通しやすい。HNの兵はこれか人切り包丁という鉈武器が標準装備。HNの怨敵であるロボットへの特攻もあり、とりわけパラディンの十字架は補正が50%もあるロボットスレイヤー